Day 3rd

事故により手痛い足止めを喰らってしまう。事故の当事者にならずに済んだと思えば、最悪ではないのだが、それにしても今回の釣行は運に見放されているとしか思えない。
負傷者を乗せ飛び立つヘリ。最終的に1名が死亡し、3名が重傷を負ったそうだ。
釣行三日目。朝5時のアラームで目を覚ます。長時間の移動と、前日までのハードな釣行と寝不足で、疲労もかなり蓄積されてきた。が、自分は釣りをするためにニュージーランドまで来ているんだ、ということを反芻し、鉛と化した体をベッドから引き剥がす。

疲れ果てた体を癒すかのようにシャワーを浴び、事前に日本からネットで手配していたレンタカーに荷物を積み込み、いざ出発。道中、24時間オープンのガソリンスタンドでサンドイッチや水を買い込み、本日の目的地であるWaikawa Pointへハンドルを握る。ニュージーランドは日本と同じで左側通行なので、ほとんど違和感なく運転できる。

ファカタネからWaikawa Pointまでおよそ1時間半。Lottin PointやCape Runawayへ行くのと同じ、海岸沿いの国道を一路東へ向かう。快調に運転していると、ラジオから気になるニュースが入ってきた。自分が今走っている国道で車2台の衝突事故が発生したらしい。車中にまだ2人閉じ込められているらしく、救出作業中とのこと。現在、事故現場は通行止めで、いつ復旧するかは不明だという。「テカハ」という事故現場の名前も言っているのだが、土地勘がないため、それがWaikawa Pointの手前なのかどうかがわからない。

どうか、Waikawa Pointの向こうであってくれと祈りながら運転を続けるが、さっきから嫌な予感がしている。そして、嫌な予感ほど的中するものである。事故により足止めを喰らった車の列。このエリアはこの道路一本しか通っていないため、迂回のしようもない。現場では、負傷者の運搬のためにヘリが3台ほど飛び交っている。Markから借りた地図をじっくり眺めると、あった。Waikawa Pointの直前に"Te Kaha"という地名が。あと15分も走ればWaikawa Pointに行けるというのに、身動きがとれないとは。。

路肩に車を止め、ラジオの最新情報に耳を傾けると、午前9時には復旧の見込みという。あと1時間半以上あるので、車内でラインシステムを組みなおし、シートを倒して仮眠をとる。しばらくして、外の音で目を覚ますと、車が動き始めたようだ。時計をチェックすると10時過ぎ。なんと3時間も足止めを喰らってしまった。

奥の出っ張った磯に行きたいのだが、潮が満ちてしまって渡れない。潮が引いてから渡ってみると、磯の右側は風裏で比較的釣りやすい状況だった。Markの的確なアドバイスに感心。
最後に入ったポイントで記念撮影(セルフ)。釣果には恵まれなかったが、やるだけのことはやったので妙に清々しい気分になった。
その後は順調に進み、やっとのことでWaikawa Pointに到着。車を止めて、Markが前日に教えてくれた磯に降りようとするが、到着が遅れた影響で潮が満ちてしまっている。今日も波風ともに強く、とてもではないが水に浸かって渡れる状況ではない。仕方がないので、近くの別の磯に入りポッパーを投げ続けるが、シモリがきつく、万が一キングフィッシュがヒットしたとしてもまずランディングは不可能そうである。それでも他に場所がないので、そこで4時間ほど振り続けるが、まったく何もなし。諦めかけたところで潮位が下がりだしたことに気づき、当初入る予定だった磯に移動すると、ここはオープンウォーターで沈み根もほとんどなく、風裏にはランディングしやすそうなスリットもある。さすがMark、気象条件からもっともキングフィッシュが獲れる可能性の高い場所を教えてくれたようだ。

少しだけ期待が膨らみ、キャストを開始。横風が強いので、メインラインをPE6号に落とし、飛距離をかせぐ。いつキングフィッシュがアタックしてきたとしても、常に心の準備はできている。ランディングまでのイメージも出来ている。ただ、水色は相変わらず濁っている。ベストな条件で釣りができないのが心のそこから悔やまれるが、ニュージーランドの磯で竿が振れるだけでも幸せなことだと思いなおし、悔いが残らないように全力を尽くす。

だが、やはり魚の気配はなかった。午後5時まで粘ったが、翌日のフライトが朝7時と早いため、ここでストップフィッシングとすることにした。釣果には恵まれなかったが、決して強がりではなく、不思議と清々しい気分になれたのは自分でも不思議な感覚だった。3日間、自分の相手をしてくれたニュージーランドの海に感謝し、釣り場をあとにした。

帰路、借りていたギャフと地図を返すためにMarkの自宅に寄り、今日の報告。家に上げてもらい、夕食までご馳走になってしまった。夕食後、オーストラリアとデンマークで放送されたビデオを見せてくれた。場所はLottin PointとCape Runaway、出演はもちろんMark本人である。そこには、磯際まで寄ってくる20kgオーバーや、泳がせでMarkが仕留めた30kgクラス、オーストラリア人のアングラーが獲った35kgクラスなど、血がたぎるようなシーンが満載だった。

やはり「いつか再挑戦したい」という想いが募る。今のように自由に釣りに行けるのがおそらくあと3年。もしかしたらあと2年かもしれない。だから、2年以内に絶対にニュージーランドのキングフィッシュに再挑戦する。そう決意を固め、帰国の途についた。

タックル1
ロッド シマノ オシアGT 97RS
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