---vol.1---

LBG in New Zealand

日本では磯釣りは非常にポピュラーな釣りだが、海外に目を向けると必ずしもそうではない。しかし、ニュージーランドやオーストラリアでは、磯釣りも釣りの一つのジャンルとして確立されており、日本では考えられないような大物がたびたび仕留められている。現地では、ショアからの大物釣りはLBG(Land Based Gamefishing)と呼ばれ、一部の熱狂的な磯釣りマニアを虜にしている。実に様々な魚種が磯から狙えるが、その中でもニュージーランドはヒラマサ(キングフィッシュ)のメッカである。ニュージーランドのLBGに魅せられ、自身3回目となるニュージーランド遠征に向かった。

Day 0

【a long way to go】
成田での待ち時間。ニュージーランド行きの飛行機は夕方発なので、機上では寝て過ごすのが基本。
前回の遠征と同じく、今回のメンバーも自分、いね嫁、まつさんの3名。磯が好きで、ヒラマサが好きで、ニュージーランドが好きな3人だ。羽田でまつさんと合流し、成田へバスで移動したのち、ニュージーランド行きの飛行機に乗り込んだ。クライストチャーチ経由でオークランドに到着したのは、成田を出て実に14時間半後。なかなか疲れる旅路だが、ここからがさらに大変。日程の都合上、今回は国内線を利用せず、オークランドからレンタカーで移動するからだ。その道程、約500km。道中、現地の釣具屋で情報収集を行い、スーパーで4日分の食糧を買い込み、やっとのことで宿に到着したころには夜12時を過ぎていた。宿のオーナーたちは用事で外出していると前もって連絡を受けていたので、あらかじめ鍵を開けておいてもらったドアから部屋に入る。それから荷物を開け、釣りの準備が終わったのは夜中2時半。長距離移動と寝不足で疲労困憊もいいところだが、翌朝の釣りのために4時半には起きなくてはならない。心地よいベッドの寝心地に身も心もゆだねつつ、仮眠をとった。

Day 1

【a very tiring day】
いね嫁のロッドを借りてミノーを投げたら釣れた小型ヒラマサ。
朝4時半、目覚ましが鳴る。重い体をなんとか起こし、ベッドから這い上がる。朝食をバックパックに詰め込み、出撃。初日は、旅の疲労を考慮し、車も徒歩も移動距離が短くて済む近場の磯に向かった。近場といえども、過去に40kg級のヒラマサが捕獲された実績があり、まったく侮ることはできない。約40分ほどのドライブで到着。準備を済ませ、まだ暗いなかポイントへ足を進める。思ったよりも水位が高く、途中何箇所か水に入りながらポイントに到着。一投目、いきなりポッパーに反応あり。小さな魚ではあったが、正体を確かめたかったので同じところに再キャスト。同じコースを引くと、バシャっとヒット。正体はカウアイ。外道だが、大型のヒラマサはこのカウアイをエサとしているため、いい傾向ではある。

このカウアイの活性が非常に高かったので、その後もヒットが続くかと期待したが、その後はまったく何もなし。よく見ると、なんと200mほど沖に漁師の網が入っている。まさかニュージーランドまで来て漁師の網に悩まされるとは思っていなかったため、少々困惑する。しかも潮が遠い。耐えかねて、すぐ横の別の磯に移動。ここは潮が流れており、期待が持てそうだったが、結局小さなヒラマサが一匹釣れただけ。やはり網が影響しているのか? まだ疲労が色濃く残る体にこの海況はあまりに辛く、午前10時過ぎには宿に戻ることにした。

宿に戻るとちょうど昼食の時間だったが、今の自分たちは食欲より睡眠欲。午後に備えて昼寝。2時間ほど眠ってから起床し、パンやバナナで昼食を軽く済ませ、再び宿を出る。午後の目的は、事前に航空写真で調べておいた新規ポイントの調査。2か所、有望そうな磯を見つけていたので、アクセスが可能であるかどうかをチェックしにいく。しかし、残念ながら2か所とも私有地であり、土地の所有者の許可を得なければ入ることができないようになっていた。所有者の電話番号などがわかれば交渉も可能なのだが、あいにく番号がわからない。結局、午後は釣りをすることなく、翌日に備えて宿に戻ることにした。それにしても、予想以上に厳しいスタートに不安がよぎる。

【all the things get started】
宿に帰ると、オーナーのバリー&ジャン夫妻が戻っていた。約2年ぶりの再会を喜び合う。翌日の釣りに関して、バリーと相談。実は今回、天候が許せばバリーのプレジャーボートで瀬渡しをする計画を立てていた。翌日は快晴で、風もそれほど出ない予報。初日の貧果を払拭すべく、2日目は瀬渡しをすることになった。果たしてどんな磯に乗れるのか、俄然盛り上がってくる。

部屋に戻り、翌日の準備を終えたころに電話がかかってきた。相手は、インターネットで知り合ったアンドリュー。彼は、40kgのヒラマサをカウアイの泳がせ仕掛けで獲った実績を持つLBGエキスパートである。今回、都合がつけば一緒に釣りをしようということになっていたのだが、残念ながらアンドリューは多忙のため釣りには行けないという。その代わり、例の私有地の所有者の電話番号を教えてくれた。

急速にことが動き始めた。