New Zealand Expedition 5

---vol.4---

アドベンチャー

前日の興奮も覚めやらないまま迎えた翌朝。この日もジムと釣行する。この四輪バギーは本来1人乗りなのだが、これに荷物を積んで、ロッドを縛り付け、さらに無理やり3人乗りして悪路を走行する。

この山を越えて海岸線に出るわけだが、前述したようにとにかく酷い悪路である。しっかり手すりを握っていても振り落とされそうになるし、実際一度バランスを崩してバギーから転落しかけてヒヤヒヤした。しかも下りは、落ちたらまず助かりそうにない断崖絶壁に作られたガチャガチャの悪路をこのバギーで降りていく。そのスリルを伝えるために道中の写真を撮りたかったのだが、危険すぎてとてもそんな余裕はなかった。

山を下ると、ブルドーザーとボートが格納されている小屋があり、そこからボートを出す。それにしても気になるのは、このブルドーザーは一体どうやってここまで持ってきたのか?である。まさかあの悪路をこれで走ってきたのだろうか...? ちょっと想像できない。

荷物をバギーからボートに移し、ブルドーザーでボートを海まで引っ張っていく。ボートは小型で当然瀬渡し専用ではないので、海が凪いでいるときでないとまず磯に渡ることはできない。この日は波はそれほどでもなかったが、風が強く、前日に18kgが出た磯には乗れなかったため、風を少しでも避けられる別の磯に渡る。

磯に乗ってから2時間ほどして、カウアイが磯際に姿を現すようになってきた。数は少ないが、型がいい。ヒラマサの気配がないので、いね嫁が暇つぶしにカウアイを狙っていると、2kgほどのカウアイがヒット。ジャンプなどを堪能しながらファイトしていると、暴れるカウアイの後ろからスーっと忍び寄る影。ヒラマサ!!

目測15kgクラスのヒラマサが、カウアイをグルグル追いかけまわしている。いね嫁が急いでカウアイを上げると、ヒラマサは不満そうに沖へと泳いでいく。自分は、すかさずその進行方向にルアーをキャスト。アクションを数発入れるとスーっと近づき、もう一度アクションを入れると一気にルアーの真後ろまで詰めてきた。距離はもう50cmもない。これは喰うか!? と思い、ルアーを放置して待つが、なかなかルアーを引っ手繰っていかない。ヒラマサがルアーに興味を失いかける直前に次のアクションを入れると、今度は喰った!! ヒラマサが反転するのを目で確認し、ラインが張るのを確認してから大きく一発アワセを入れる。手元にドシっという鈍重な感触が伝わり、ファイト体勢に入るが、すぐにふっと軽くなってしまった。痛恨のフックアウトである。

自分はショックで磯上で腰砕けになりそうになるが、ヒラマサのほうはまだまだやる気満々だった。一部始終を見届けたあと、今度はいね嫁がすかさずルアーをキャスト。すると、先ほどのヒラマサが再び近づいてきて、今度はいね嫁のルアーにヒット!!

前日同様、ヒラマサはラインを出しながら沖の深みへと爆走する。最初は一直線に走っていたのだが、途中で走りの角度が変わった。と同時に、またしてもフックアウト!! 一匹のヒラマサに2人連続してフックアウトを喰らうとは…。かなり貴重な体験ではあったが、その代償も大きかった。

このあと、ヒラマサの群れの回遊が始まるかと期待されたが、なかなか海の活性が上がらない。風も強さを増す一方である。いね嫁が風の影響でプラグをうまく操作できないというので、自分がいね嫁のロッドを借りてキャストし、操作方法を見せていると、ルアーの後ろに黒い影。喰わせのアクションを入れると、ヒラマサは一発でルアーを引っ手繰った。

慣れないタックルなので非常に苦戦したが、なんとかランディングにこぎ付けた。

苦戦した割には、思っていたよりもずっと小さいヒラマサ 6kg

前日にはまったく同じタックルでいね嫁が18kgを獲っているわけで、決してタックルが弱いわけではない。もちろん、自分が普段から使用しているタックルで掛けていれば、特に問題なくランディングできるサイズである。月並みな結論だが、やはり普段使い慣れていない道具を使うと、獲れるものも獲れなくなる。各人の体力と技術を最大限に発揮できるバランスタックルの重要性を改めて教えてくれた一匹だった。

このあとはヒラマサの回遊もなく、瀬替わりしても状況が好転しなかったので、この日は終了とした。ジムとの釣りは今日で最後だったので、その手厚いサービスに感謝しつつ再会を誓った。

翌日は地磯に降りた。この日はそれはそれは多くのヒラマサが磯際に回遊し、15kgオーバーも数匹交じっていたのだが、信じられないほどの低活性で手も足も出なかった。30m先に着水したルアーの着水音にビビって逃げるくらいの低活性では、正直お手上げである。磯際のベイトを追い回すでもなく、一瞬姿を見せては逃げていく。一体あのヒラマサたちは何のために磯際に回遊してきのか、今でも謎のままだ。

迎えた最終日。前日の低活性ヒラマサになんとか口を使わせようと対策を練って挑んだが、最終日はヒラマサ自体がまったく回遊してこなかった。

釣行前に予想していたとおり、初夏のニュージーランドは一発の魅力はありつつも、やはり秋に比べれば難しいという印象だった。だが、これまでにはない数々の貴重な体験ができたのも事実。さらなる大型磯ヒラマサを求め、今釣行のデータを次のニュージーランド遠征、そして日本での日々の釣行にフィードバックしていく。

タックル(いね)
ロッド MC Works' レイジングブルXR-1
リール ダイワ ソルティガZ6000
ライン よつあみ ウルトラキャストマン 5号
リーダー ユニチカ 飛翔 30号
ルアー プラグ

タックル(いね嫁)
ロッド MC Works' ワイルドブレーカー96R
リール ダイワ ソルティガZ4500
ライン よつあみ ウルトラキャストマン 4号
リーダー ユニチカ 飛翔 30号
ルアー タイドプール プロトプラグ 16cm