ショアGT遠征2006

- vol. 2 -

Power Fight

前回釣行より3週間が経過。地元にいながらにして、再びほのかなアジの匂いを感じ取った。普段ホームグラウンドとしている釣り場は不調という知らせを受けていたが、別のポイントが強烈に自分にアピールしている気がしてならない。常々興味は持ちつつも、未だ踏み入れたことのない場所。同じ釣り場でばかり釣りをしていると、どうしても気分がマンネリ化していくため、気分転換も兼ねて新ポイントにチャレンジすることとした。

前回同様、今回もかなりの強風が吹きつけており、めぼしい磯は見るまでもなく壊滅状態。暇つぶし程度に風裏の磯を攻めてはみるが、潮も流れず反応0。磯は見切りをつけて堤防に移動し海況を確認すると、下げのいい潮が流れている。すかさずシャバジグ100gを潮目に投入すると、着底と同時にバラクーダがヒット。その後も小さなフエフキが釣れたりと、堤防のほうが魚っ気はあるようだ。これなら夜も期待できそうである。

そして夜の部。遠く水平線に沈み行く太陽を右手に、魚の回遊パターンをイメージする。港の形状とタイドグラフから回遊ルートとタイミングを割り出し、釣り座を決める。読みが正しければ、最初の群れはここを通って港に入ってくるはず…。自分のルアーの先にGTの気配はダイレクトには感じられないが、近い未来そこにGTが現れることは想像に難くなかった。焦りはない。絶対ここで釣れるはずだから。

午後8時。太陽が沈み完全に暗くなったな、と思ったそのとき、G-カップの後ろに巨大な水柱が立った!! だがバイトミス。10秒以上のポーズをとりセカンドバイトを待つが、ウネリでポッパーが流れてしまいGTが出てこない。

「まだルアーの周囲にいてくれ」

祈るような気持ちで再度ポッピングすると、初回と同じくらい巨大な水柱を立てて今度はしっかりバイト!! 2秒ほどラインを送り込んで、大きなアワセを3発打ち込む。と同時に、相手はかなりのパワーでラインを引きずり出していった。ドラグは12kgに設定しているが、すぐに止まる気配はない。なんせ初挑戦のポイントでどこに瀬があるかすらわからないため、無闇に走らせることはできない。できるわけがない。背筋を総動員してロッドを引き起こし、さらなるプレッシャーを魚に掛ける。だが、GTは一度止まりかけたところから、またさらに下へ下へ行こうとする。経験上、こういう引き方をするやつはデカイ。実際、止まったあとの抵抗も前回の釣行で揚げた20kgそこそこの魚とは桁違いである。

ヒットゾーンが大体70m前後。そこから20mほど走られたので、約90mに渡って魚を寄せなければならない。その距離に一瞬目眩がするが、気を取り直しフットポンピングの連続で一気に寄せにかかる。ロングロッドでのこのファイトによる体への負担は相当なもので、腰も膝も腕も一気に臨界点に突入。だが、このときこの瞬間のために地道なトレーニングをしてきたのだから、今更弱音を吐くわけにはいかない。力溢れるGTを、真正面から力で捻じ伏せるのがこの釣りの醍醐味だ!!!!

あと20mといったところで、うっすらと魚体が見えてきた。こいつはデカイ。他のアングラーの方に落としダモと投入してもらい、魚をゆっくりと誘導してランディング成功!! 久々に全身全霊を費やしたファイトだった。

一目見てかなりの長さがあったので、ついに50kg到達かと色めき立ったが、産卵後なのか胴部がやや細い。計量の結果は148cm、42kg。これで3年連続の40kgオーバーということでかなり満足ではあるのだが、長さが148cmもあっただけにどうしても『惜しい!!』という一言が漏れてしまう。こいつが肥えていれば…。うーん、やっぱり惜しい。

とはいえ、ファイトそのものには大満足である。やはり40kgオーバーの引きは一味も二味も違うことを再認識させてくれた。写真撮影後、リリース。足場の高い場所からのリリースだったため最初は脳震盪気味だったが、しばらくたってから元気に沖に帰っていった。結果オーライだが、大型魚のリリース法をもうちょっと考えないといけないなと思った瞬間だった。

Fish Alone

この魚を釣ったあと、一気に風が強まってきた。少なめに見積もっても8m/sは吹いている。前回といい、どうも今年は天候に悩まされることが多い。あまりの強風に、一人二人とアングラーが去ってしまい、とうとう自分ひとりになってしまった。ランディングやもしものときのことを考えると一人での釣りは避けるべきなのだが、ワンナイト釣行で来ている自分としては日付も変わらないうちから撤収するわけにもいかず、状況を見つつ続行することとした。

他アングラーからお借りした落としダモのロープを堤防上に固定し、網部分を水面直下にセット。魚がヒットしたらここまで引っ張ってきて、タモに入れて自分で引き上げる算段。これまで40夜ほど夜堤防GTをやってきているが、完全に一人になるのは実はこれが初めてである。強風吹きすさぶ漆黒の堤防に一人きりという緊張感と、すべての魚を独り占めできるというほんの少しのワクワク感を胸に、ゲーム再開。

すっかりメインウェポンと化した”GTフォース”で魚の位置を割り出す。直感と共に潮位を考慮に加え、「ここでしょ」というポイントにG-カップを投げ込む。2ポッピング目、狙い通りにGTが出る。誰もいない堤防で『よっしゃぁ〜!!』と声を上げつつアワセを入れ、さぁこれからというところでポロリ。もしかしたら、テンションが上がりすぎてアワセが早くなってしまったのかもしれない。常に冷静に。大物釣りの基本を忘れかけていた。

いま掛け損なったGTはもうルアーには出ないだろう。だが、群れで入ってきていたのなら他の魚がまだいるはずだ。バラシ騒動の間、群れはおそらくこちらに移動したんじゃないかと読み、少し移動してキャスト。5ポッピング目、読みどおりドンピシャでGTがヒット!! 今度はしっかりと送り込み、完全にフッキング成功。そこそこの引きだが、先ほどの42kgとは比べるべくもない。一気に寄せて水面に浮かせるまではスムーズにいったのだが、ここからが一苦労だった。50m以上離れた落としダモまで魚を平行に引っ張っていくのが想像以上にしんどく、腰にくる。ヘッドライトの明かりを頼りに、魚をなんとかタモに誘導し、一人でタモを引き上げる。

目測で18kgといったとこだろうか。大したサイズじゃないが、完全に一人で獲ったという充実感と達成感は格別である。

7kgのコレバリー。もしかしたらオニヒラアジかもしれない。
ここで粘ればまだまだ釣れそうな雰囲気がそこらじゅうに充満していたが、さらに波とウネリが強まって高い足場ではセルフランディングは不可能な状況になってきた。仕方なく、足場の低いところに移動。もし釣れるとしたら、この角度なんじゃないかと読み、力の限り遠投。あえて堤防に対して直角には投げていない。すぐには答えが出ず、駄目なのかと諦めかけていたそのとき、ヒット!! だが小さい。あっという間に上がったのは7kg程度のコレバリーだった。さらにすぐ次の魚がヒットしたが、さらにダウンサイズし5kg程度のメッキ。どうやらここには小物しかいなさそうだ。

ここには見切りをつけて外海側に移動したいところなのだが、足場の高いポイントはどう考えてもランディング不可能な状況…。獲れない釣りに意味はない。後ろ髪を引かれる思いだが、ここでゲームセットとすることにした。

タックル
ロッド 六畳工房 Landbase Addiction 970
リール ダイワ ソルティガZ6000+6500スプール
ライン よつあみ ウルトラダイニーマ8号(100lb)
リーダー ナイロン60号(200lb)+ナイロン100号(300lb)
ルアー ハンマーヘッド 泡舞 G-カップ