ここまでの数日間、GTの反応はまったくといっていいほどなかったのだが、不思議とこの遠征最終日は何か起きそうな予感があった。気合を入れて夜明け一時間前には磯に立つ。暗いうちからキャストを開始するが、瀬際の磯は動いていない模様。しかし、すぐ沖にはいい潮が流れているのがうっすらとわかる。しかも、その潮は序々に瀬際に近づいてきているようだ。このままいけば朝マズメと潮の時合がピタリと一致する。これまでにない緊張感に包まれる磯、そして眼前の海。
ペンシル(GTハリヤー)でじっくりと誘う。ポッパーによるアピールはすでにやったが、まったく効き目がなさそうだったので、すでに選択肢から外している。ペンシルによる『静』の釣り。そして、その静寂は30mほど右で同じくペンシルを投げていた16さんの叫びによって破られた。
「ヒット、ヒット!!」
ギャフを片手に、16さんの元に向かう。沖の沈み根に向かう相手をなんとか止め、リフティングしながら寄せる。凪なので、磯の先端まで出てファイト。滑る足元に注意しながら、GT特有の真下でヒラを打ちながらの抵抗に耐えなければならない。いや、正確には耐えているだけでは魚は獲れない。相手の抵抗を上回る力でロッドを引き上げなければ、魚は浮きはしない。体格に恵まれた16さんのパワーをもってしても、相当苦戦しているところをみるといいサイズのようだ。魚の動きに合わせ、磯上を右に左に、上に下に移動しながらのファイト。力とバランスの両方を兼ね備えていないと、この釣りはできない。
水中に魚の姿が見える。いいサイズだ。お互い最後の力を振り絞っての引っ張り合い。磯の角にラインを巻かんとする相手を、渾身の力で止め、リールを巻く16さん。浮いた魚の背中に自分がギャフを打ち込む。しかし、足場が悪いのと魚が重すぎるのとで、コントロールできない。波に揉まれてギャフが外れてしまう。一旦魚を沖に出し、また浮かせてから再度ランディングを試みる。今度は顎にギャフを打ち込み、16さんと2人でなんとか磯上に引きずり上げた。
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GT 132cm 34kg!30kg秤を振り切ってしまったので重さは推定だが、コンディションからして恐らく34kg程度だろう。何はともあれ、磯からこのサイズは立派の一言!!
写真撮影を終え、足早に自分のポジションに戻る。ますます近づいてくるヤバい潮流に、確信を込めて呟く。
「間違いなく出る。」
沖の沈み根に潮が当たっているポイントを狙うため、遠投のきく飛びっ子123にルアーチェンジ。無風状態な上に足場が高いため、90mほどの飛距離が出る。狙いのポイントは沖合約70m。周辺ではたまにダツが追われている。夜明け前とはうって変わって、水面を激しくドッグウォークさせる「動」の釣り。そして答えは1投目で出た。狙ったポイントをルアーが通過する直前、盛大な飛沫が上った!! 出方からいってこれも30kgを超えていそうだ。手元にヒットの感触がないことから、即時で食い損ねと判断。ルアーを止めることなく次のアクションを入れると、またしても盛大な飛沫が上がる。手元にわずかな感触が伝わり、ルアーを咥えたと判断。しかし、そこから引っ張っていなかい。そう、相手はこちらに向かって全速力で泳いできていた。
リールを全速力で巻き、ラインテンションを掛け、やっとのことでアワセを入れる。異変に気づいた相手は反転し、10mほどラインを出しながら沖に向かう。このまま沖に向かってくれるかと思ったのも束の間、相手はす〜っと下に入り始めた。「マズイ」と思ったときにはもうすでに時遅し。沈み根を発見した相手は、素晴らしい手際でメインラインを根に掛けて切っていった。
手前に泳いできた不運があったとはいえ、結果として魚を獲れなかったことに変わりはない。しかし、3年目にしてやっと磯からGTと呼べるサイズを掛けることができたことは、自分にとっては決して小さくない収穫である。ムズカシイ相手に対し、戦略を練り、あらゆる策を張り巡らし、一歩づつ近づいていくこの過程がタノシクテ仕方がない。この日はもうGTは出なかったが、また磯から挑戦できる日を心待ちにしながら帰路についた。
| タックル | |
| ロッド | MC Works' レイジングブル106XX(プロト) |
| リール | ダイワ ソルティガZ6000 |
| ライン | よつあみ ウルトラジグマン 8号 |
| リーダー | ヤマシタ ニュークロー60号+100号 |
| ルアー | ハンマーヘッド 飛びっ子123 ヤンバルアートクラフト GTハリヤー |