SHORE JIGGIN'

---vol.16---

春青物

「ショア青物のベストシーズンは?」と訊かれれば、おそらくほとんどのアングラーが「秋」だと答えるだろう。自分自身も秋が最も可能性が高いと考えている。しかし、だからといってショア青物は秋しか釣れないというのは完全な間違いである。実際、昨秋の近海は不調もいいところだったためロクな魚を釣らないまま終わってしまったが、冬に入ってからは年明け早々にハマチとヒラスを釣り、春になってからは青物ではないが大型ヒラメをゲットしたりと、昨秋よりよっぽどいい釣果が出ている。ただ、秋に比べて春が難しい時期であるのは事実。その要因はベイト。まとまった量のベイトが次から次へと接岸してくる秋と違い、春はベイトがショアラインに定位せずに移動してしまうことが多いため、どうしてもチャンスそのものが少なくなってしまう。だが、タイミング良くベイトの接岸に出くわすことが出来れば、春でもいい釣りができる。今回は、まさにその典型的な例だった−。

4月1日エイプリルフールのこの日、いね&いね嫁コンビ+ナマリファイターAGさんの3人で青物退治に出撃。現場到着後1時間ほど仮眠をとり、お目当てのポイントに入るために暗いうちから準備していたのだが、残念なことにポイントには先行者の姿。仕方がないので、近くの別のポイントに入り夜明けを待つ。ここもいいポイントであることに変わりはない。がしかし、マズメから3人で集中砲火を浴びせるも反応ナシ。しばらくして上げ潮が止まり、下げに入ってからまたいい潮が流れるも、相変わらず反応ナシ。潮は最高であるにも関わらず、あまりにも生命感がない。何よりもベイトがまったく見えない。中層にでもベイトがいれば、足元から湧き上がる潮に揉まれて瀬際に浮いてくるはずなのだが、それが見えないということは…。場所を移ったほうが得策であるということだ。

サクラ咲く

移動後、海を確認するとブレイクラインに沿って最高の潮が流れている。逸る気持ちを抑えつつ、各々思い思いのポイントでキャスト開始。すると、いね嫁が一投目から見事ヒット!! 脇構えの状態で掛かったため、のされまくっている。グリップエンドを足の付け根に当てるように指示し、体勢を整えることに成功。さぁ、ここからはいね嫁の反撃の時間である。女性の中でも特に小柄ないね嫁にとって、良型青物を磯場で獲るのは相当難しい。実際、これまでに良型青物を何度か掛けているが、すべてバラシに終わっている。だが、普段から『魚は獲れなきゃ意味がない!』と断言するいね嫁。約半年ぶりに掛けた良型青物を今度こそ、今度こそ征するため、小さな全身を利用した"彼女なりのパワーファイト"で対抗する。腕力のなさをカバーするためにフロントグリップを持ってロッドに思いっきり体重をかけ、全身を使ってポンピングしながらリールを巻き続ける!!!

いね嫁の『ライン擦ってる〜』との悲鳴が聞こえるが、最初からそうなることを読んでリーダーはフロロ100lbを入れている。『大丈夫やけん、とにかくひたすら巻いて、巻きまくれ!!』 適切かつ非情なアドバイスを送りながら、自分はランディングポジションへ。リーダーを掴んで魚を抜き、ランディング成功!!!! 揚がってきたのは73cm,4.3kgの良型ハマチ!! いね嫁の体力にベストマッチしたバランスタックルと、何よりも『魚を獲るんだっ』といういね嫁の根性がもたらした最高の結果だった。

それから先は魚も人間もお祭り状態。まさにフィーバー!! 15cmほどのベイトを追ってハマチの群れが水深1mのシャローまでバンバン突っ込んでくる。水深のあるところでは、まるでGTのような『ドッパーン』という派手な出方をしている。自分がキャストしたシャバジグ100gブルーピンクにも背中を出してアタックしてくるが、派手な追い方の割には喰いが浅くフッキングに至らず。すると、AGさんにヒット!! ファイトの様子を見ていると、AGさんが掛けた魚の後ろに8kgくらいありそうなデカイのが付いていたため、ジグを放り込んで誘いを掛ける。だが、興味を示すものの口を使うには至らず。魚が見えなくなったところでふと振り返ると、AGさんがロッドで魚をぶら下げたまま困っていたので、ハンドギャフを掛けてランディング成功!! こちらはさらに丸々と太った6kgのハマチであった。

この後もアタリはするのだが、とにかくショートバイトが多くフッキングしない。そこで、一瞬のストップを演出しやすいシャバジグ70gにチェンジし、キャスト。この作戦はズバリ的中し、ルアーチェンジ後のファーストバイトをバッチリフッキング!! ドラグは"当然"フルロック、ロッドはレイジングブル100XR(プロト)。ハマチ相手に1分以上掛けるつもりはなかったので、所要時間約40秒の冷徹ゴリ巻きファイトで浮かせ、そこから足場10mを一気に抜き上げ暴走ユニック!! 2人に遅ればせながらもゲットしたのは、5.3kgのハマチであった。

このポイントは抜き上げ必須ではないのだが、ロッドの強度テストのためどんな魚でも抜くつもりでいた(前週7kgのヒラメを抜かなかったのが心残りだったため)。結果、5kg程度の魚なら一切躊躇なく抜けるパワーを秘めていた。ヒラスやカンパチなど、瀬際の一瞬の躊躇が命取りになる相手には心強いアイテムである。

サクラ舞う

ひとまず全員が良型青物をゲットし、かなりの満足感に浸る。しかし、散発的ではあるがまだハマチのボイルがあるので、さらなる獲物の追加を狙って各人キャスト続行!! だが、潮が緩んできたためハマチの反応はさらに渋くなってきている。あいにくジグしか持ち合わせがなかった自分には、チェイスはあるもののかなり距離を保って追ってくるためバイトを誘発させる術がない。これが深場のポイントならどうにかやりようもあるのだが、超ドシャローのこのポイントでこの状態だとなかなか厳しい…。

…無意識のうちに眉間にしわが寄りつつあったそのとき、AGさんの雄叫びが炸裂する。『よっしゃぁ〜ヒットぉぉぉ!!』

密かにシーバス用のポッパーを忍ばせていたようで、ショートトゥイッチ後のポーズでヒットに持ち込んだようだ。シャローでありながらも根の少ないポイントで掛けたため、余裕綽々の応援団ファイトを繰り出すナマリファイターAG。だが残念。これでは腰の突き出しが足りない!! 真の応援団ファイト習得にはまだまだ時間がかかりそうである(笑)

すでに一本釣った余裕からくるお遊びファイトの末上がってきたのは、なんとまぁ先ほどのサイズをさらに上回る6.2kgのハマチであった。この後は潮も完全に止まってしまい、ハマチの気配もすっかり消えてしまった。一旦撤収後、桜舞い散る木の下で昼食を摂り、午後の部を開始するが潮が動かず完全沈黙。そのうち雨が酷くなってきたので、この日はこれにて終了。なかなか釣れないショア青物であるが、久々に『この釣りやっててよかった〜』と思える釣果であった。



タックル(いね)
ロッド MC Works' レイジングブル100XR(プロト)
リール ダイワ ソルティガZ4500
ライン よつあみ ウルトラキャストマン 4号
リーダー デュエル X-TENソルト 100lb
ルアー UZU 俺のシャバジグ70g ブルーピンク

タックル(いね嫁)
ロッド ダイコー プレミア PMRJ-92MH
リール ダイワ ソルティガブラスト4000(改)
ライン よつあみ ウルトラキャストマン 4号
リーダー デュエル X-TENソルト 100lb
ルアー UZU 俺のシャバジグ70g 黒金