SHORE JIGGIN'

---vol.21---

綱引きファイト指南

薩摩の暴れ牛パンティ氏が開発した超実践的戦闘漁法−綱引きファイト。当HPのBBSや雑誌等でも度々取り上げられているが、実際に知人などに話を聞いてみると、どうもこの綱引きファイトを間違って理解している人が多いようである。そこで、今回の釣行レポートを通して綱引きファイトを詳説してみようと思う。

なかなか理解してもらえないが、これが綱引きファイト中のシーン。この状態で魚が掛かっている。ロッドはラインと平行に真っ直ぐにし、リールをガンガン巻く。
瀬際まで魚が寄り、もうラインが瀬に触れるというところでロッドを立てる。綱引きをするとファイト時間がかなり短いため、足元に寄った魚は余力を残している。そんな魚の暴力的な突っ込みにも耐えられるロッドでなければこのファイトは成立しない。
魚が浮いたら躊躇なく抜き上げ。ランディングに時間を掛け、瀬際という危険地帯に魚を長時間さらす必要はどこにもない。
今回の釣り場は水深40m前後の急深ポイント。朝マズメ、ボトムから中層までシャクり上げてきたところで一瞬ジグを静止させるアクションを入れてやると「ドスッ」とヒット。いくら中層でのヒットとはいえども、水深20mの位置から魚を斜めに寄せてこなければならないため、悠長なファイトをしている余裕はまったくない。

魚が瀬際に寄るまでに1mmでも多くラインを回収するべく、ファイト中は常にリールを巻いているのが理想。したがって、ポンピングなしのゴリ巻きファイトが要求される。だが、10ft以上のロッドで大型青物を掛けたことのあるアングラーならわかると思うが、ロッドを立てた状態でゴリ巻きするとラインとガイドリングの摩擦抵抗でリールが巻けなくなるという現象が起こる。例えローギアを使用したとしても、ソルティガ6000クラスのリールを使用したとしても、大型のカンパチやヒラスが本気で抵抗するとハンドルを回せないほどの摩擦抵抗がラインに掛かるのである。

この問題を根本的に解決するために生まれたのが、綱引きファイトだ。ラインが入っている方向にロッドを真っ直ぐ向け、リールだけでゴリ巻きする。ロッドとラインは平行であるため、ガイドとラインの摩擦抵抗は0である。これが実戦では大きく効いてくる。(なお、言うまでもないが、足元のハエ根がきつかったり、波が高くて瀬際に近寄れないようなときには綱引きファイトは控えるべきである。)

伸びのないPEを使用している上にロッドもクッションにならないため、魚は口元に相当な違和感を感じ、凄まじい暴れ方をする。だが、それは無視してひたすらリールを巻く。魚がデカイときは、ロッドを持つ腕を後ろに引くと同時にリールを巻き、これを繰り返す。まさに綱引きの動きだ。それでも魚が抵抗してリールを巻けないときは、ロッドを二、三度後ろに真っ直ぐ、力強く引っ張り、魚の頭を無理矢理こちらに向ける。このときもロッドはラインと平行なので、ロッドのクッションもなく、魚にダイレクトな衝撃を加えることができる。

魚を瀬際まで寄せることに成功したら、最後は瀬ズレを避けるためにロッドを立ててファイト。このときにリーダーが見えるくらいまで魚が浮いていれば勝利の可能性は高いが、大型魚ほど最後の突っ込みに賭けているので油断などできるはずはない。渾身の抵抗をガッチリ受け止め、浮かせたあとは一気に抜き上げられるような強靭なロッドがなければ、詰めを誤り泣きを見ることとなるだろう。

「そんなファイトしてたら口切れするんじゃないか?」と言われることもよくある。当然この強引なファイト法は魚の口へのダメージも相当なものなので、対象魚の上顎を貫通させられるサイズの大型フックを装着しておかねばならないことを付け加えておこう。

なお、今回の獲物は残念ながら青物ではなく赤物。とはいえ、65cm 3.2kgのマダイとのパワー全開綱引きファイトは壮快の一言だった。

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