SHORE JIGGIN'

---vol.30---

鉄製ジグの可能性

ショアジギングへの理解が深まれば深まるほど、逆に「ショアから鉛のルアーでヒラスを釣る」ということに違和感を覚えるようになってしまった。ショアジギングでは、水深20m前後のポイントで100m近く遠投することが多いため、ジグをほぼ水平方向に引きながらスライドアクションをさせることになる。よって、ジグをシャクったときの力のほとんどが水平方向に作用し、垂直方向へ作用する力は僅かである。一方、スライド中にジグが沈んでしまうとヒット率がガクンと下がるのだが、スライド中もジグには常に重力が掛っており、結果として沈みながらスライドしてしまうことが非常に多い。水中では浮力も働いているが、比重の高い鉛に対する浮力はごく僅かなものでしかない。

そこで、鉛よりも比重の低い素材でできたジグを試すことにした。当初はアルミ製のジグを考えていたのだが、アルミはあまりにも軽すぎて流れがきつい瀬際では使い物にならない可能性が高いため、鉄製のジグを用いることにした。市販の鉄製ジグでスライドするものとなると、「鉄ジグ スイムライダー」に一意に決まるので、これを使用する。

比重(水との質量比)は、鉛が約11.4に対し、鉄が約7.8。したがって、同じ重量であれば鉄のほうが体積が1.5倍ほど大きい。このため、飛距離は5〜10mほど落ちるが、まぁはっきり言ってショアジギングに飛距離は必要ないのでどうでもいい。そんなことよりも遥かに重要なのは、スライドしながら沈むことがないかどうか。実際に鉄ジグをシャクってみると、確かに鉛よりも早く上昇してくるし、鉛使用時独特の下に引っ張られるような感覚がほとんどない。狙いどおり、上昇しながらスライドしているようだ。この時点で90%は満足。独り磯上でニヤケてしまう。しかし、当然これで終わりではない。残りの10%を埋めるべく、釣果に直結するかどうかを検証する。

舞台は灼熱の夏磯。連日最高気温35℃の猛暑にも怯むことなく磯に立つ。長潮にも関わらず、潮がいい具合に切れており、水質も良い。ベイトとなるキビナゴ以外にも、足元に様々な魚が見えている。当然ながら、こんな日は青物が回遊してくる可能性が高い。そして、夜明けから鉄ジグをシャクり続けること2時間。突然ひったくるようなアタリが襲う。夏マサ独特のシャープな引きでラインが5mほど出るが、中層で掛けたので慌てることはない。突っ込みが終わったらゴリゴリ浮かせて、磯に引きずりあげてランディング成功!!

獲物はヒラス4kg。鉄ジグ最初の一本としては上出来と言っていいだろう。この一本がマグレでないかどうか、さらなる検証を重ねていくつもりである。

タックル
ロッド MC Works' ワイルドブレーカー103HS
リール ダイワ ソルティガZ4500
ライン よつあみ ウルトラキャストマン 4号
リーダー よつあみ キャストマンアブソーバー 80lb
ルアー Nature Boys 鉄ジグ スイムライダー 90g