SHORE JIGGIN'

---vol.31---

自分のショアジギング

この数年間で、何百回磯に立ち、何万回ジグを投げただろうか。この間じっくりと練り上げてきた『自分のショアジギング』

自分のやりたい釣りのベースとなるのはスライドアクション。しかし、オフショアではほぼ有り得ない、ショアならではの極端な斜め引きに対応したスライドジグがなかなか見つからなかった。どんな形状のものを使っても、イメージ通りにジグを泳がせることが難しかった。立ち位置を工夫するなどして騙し騙しやることで、ぼちぼちとヒラスのアタリを拾うことができていたが、フッキングミスが多く釣果が伸びない日々が続く。自分のやりたい釣りができていれば、フッキングミスが頻発するはずはないと確信していたので、裏を返せばやりたい釣りができていない証拠だった。

そして、鉄製のジグに可能性を見出したのが前回のショアジギング釣行時。そして、この鉄ジグをもって、追い求めてきた『自分のショアジギング』が新たな段階に踏み出そうとしている。

暑かった日々が終わりを告げようとしていた某日。過去にヒラスの実績がまったくない磯に立ってみることにした。自分自身はもちろん、他に誰かが釣ったという話すら聞いたことがない。とはいえ、潮の流れ方と水深や地形などから、ヒラスが回遊する可能性を感じ、昨シーズンから度々調査していたのだが、これまでは結果が出ずにいた。しかし、ここで鉄ジグを投げるのは今回が初めてである。

自分の釣りはいつも海を観察することから始まる。速すぎない絶妙な潮が流れていることが見てわかる。磯上に数ある釣り座から、ここしかないという一点を選択し、これしかないという角度で鉄ジグを打ち込む。そして、シャクること15分。鉄ジグ使用時独特の、カウンターのようなヒラスのアタリが右腕を襲う。そのまま向こうアワセでフッキング成功。やはりヒラスはいた!

しかし、喜ぶのはまだ早い。潮流に対して理想的な角度でジグを通すために、少々不自然な立ち位置をとっている。つまり、掛けてからは決して有利な立地ではない。自分から見て左手に張り出す根に巻かれると恐らくアウト。いくつかのやり取りの選択肢が頭をよぎったが、ヒラスがその根に気づく前に勝負を付けてしまう作戦をとる。中層で掛けたため、沖でドラグを数メートル出されるのはまったく問題ない。しかし、ある程度寄ってきてからは、ドラグを締め込み一気にゴリ巻きする。とにかく左側の根を悟られてはいけないので、強引に右側に寄せる。足元近くまで寄ったとき、左側の根とは十分な距離があった。これでセーフティゾーンに入った。足元で真下に突っ込むが、真下にはリーダーを切れるような根はない。WB103HSのパワーで突っ込むヒラスを浮かせ、磯にズリ上げて勝負あり。

獲物はヒラス 5.2kg。鉄ジグを用いることによって新規開拓が成功した瞬間である。

この鉄ジグは、あらゆるシチュエーションにおいて万能というジグではない。スライド幅の短さと比重の軽さが不利に働くシチュエーション、具体的には強い潮流や強風、高波などには滅法弱い。しかし、自分が得意とする「ゆったりとした流れ」「背後からの微風」「1.5m以下の波」というシチュエーションでは抜群に効くジグである。自分の海域で、次にジグで大きなチャンスが訪れるのはおそらく晩秋以降。荒れ模様の天気が多くなる時期に、風向きと潮流を読みきって鉄ジグが威力を発揮する磯を見つけ出せるかどうかが、勝負の分かれ目になるだろう。

タックル
ロッド MC Works' ワイルドブレーカー103HS
リール ダイワ ソルティガZ4500
ライン よつあみ ウルトラキャストマン 4号
リーダー よつあみ キャストマンアブソーバー 80lb
ルアー Nature Boys 鉄ジグ スイムライダー 90g