SHORE PLUGGIN'

---vol.20---

すべては必然

絶好の磯日和となった某日。いね嫁と2人で荒磯に立つ。この日は2つの異なるテーマを持って、それぞれこの磯を攻めることにする。自分は沖に潮が淀むポイントを撃ち、潮目に沿って回遊してくるヒラスが溜まるポイントを攻める。いね嫁は、瀬際のブレイク沿いに回遊するヒラスを狙い、磯を移動しながら撃っていく戦略。当然瀬際で掛ったほうが獲るのは難しいのだが、いね嫁の飛距離ではこの日の潮の淀みには届かないのが明白なので、こういう担当になった経緯がある。

夜明けと同時にキャスト開始。「これで出なかったらそこにはヒラスはいない」と断言できるような潮の淀みにプラグを打ち込むが、まったく反応がない。キャストの角度を変え、ルアーを変え、アクションを変え誘うが、やはり無反応。開始から15分で、この流れについているヒラスはいないと確信してしまった。それならば瀬際を狙いたいところだが、自分の立ち位置はまったく瀬際の潮が動いていない。大きく移動すれば有望な立ち位置があるが、短い時合いの中で移動ための時間はもう残っていない。

恐らく今日は自分は外した。あとは、離れた立ち位置で瀬際を叩いているいね嫁に希望を託す。

ルアーをリトリーブしながらそんなことを考えていたそのとき。「ヒット!!」の声が磯上に響き渡った。即座に横を向くといね嫁のロッドが猛烈に曲がっている。腰を落として突っ込みに耐えていたが、次の瞬間には惜しくもフックアウト。傍目から見ても大型ヒラスだったのがわかっただけに、あまりに惜しい!!

それにしても、いね嫁が投げているポイントは普通はちょっと攻めないような場所である。ヒラスのバイトポイントに偶然などないことは重々承知しているものの、自分の立ち位置から眺めた感じでは、何故あそこでヒットしたのかがイマイチ釈然としない。

磯上で悩み始めてしまった自分は、もはやリングの外である。一方、何かを確信しているいね嫁は、同じポイントでキャストを繰り返し、またしてもヒット!! 今度こそしっかりとフッキングが決まり、良型ヒラスとの打撃戦が始まる。

いね嫁の立ち位置の左側にはいかにもといった感じの沈み根が出ており、当然のことながらヒラスはその根に向かって突っ込んでいく。いね嫁は根をかわすために移動を試みるが、足場が悪く移動がスムーズにいかないことをすぐに悟り、移動せずにその場でヒラスとの引っ張り合いに挑む。小さな体とWB96Rとソルティガ4500をフルに使ったポンピングでヒラスにありったけの力を叩き込む。

一進一退の攻防が暫く続いたが、なかなか沈み根に到達できないヒラスがとうとう根負けし始めた。容赦ないポンピングで足元に浮いたときには、もうほとんど抵抗しなくなっていた。リーダーを掴み取り、勝負あり!!

ヒラス 94cm 7kg!!

テールフックが口に掛りボディフックがエラの横に掛っていたので、引きは3割増しだったはずだが、それでも瀬際で掛ったこのサイズを獲ったのは客観的に見ても素晴らしい成果である。

写真撮影を終えて魚をリリースしたあと、なぜあのポイントを選んだのかをいね嫁に尋ねると、明確な答えが返ってきた。自分の立ち位置から見てもわからなかったが、瀬際のブレイク沿いに潮が差してきていたそうである。

やはりこの釣りに偶然の釣果などない。すべては必然。この日は、ポイントの選択眼を磨いたいね嫁の日だった。

タックル(いね嫁)
ロッド MC Works' ワイルドブレーカー96R
リール ダイワ ソルティガZ4500
ライン よつあみ ウルトラキャストマン 4号
リーダー ユニチカ 飛翔 30号
ルアー プラグ